Coffee or Tea?

アクセスカウンタ

help リーダーに追加 RSS パパの書評・・・「死神の精度」(伊坂幸太郎)、「ししゃも」(仙川環)

<<   作成日時 : 2008/03/08 07:29   >>

トラックバック 0 / コメント 5

今回は、「死神の精度」(伊坂幸太郎)、「ししゃも」(仙川環)について読んだ後の感想を書いときます。


「死神の精度」(伊坂幸太郎、文藝春秋) お気に入り度:

やばい、早くブログアップしないと、映画になっちゃうよ。金城武主演で、小西真奈美ちゃんが相手役ですか。いいですねえ、小西真奈美ちゃん。
映画化のタイミングに合わせて、文庫本化されるから、こういうタイミングになっちゃうんですよね。
別に、時流に乗った本を積極的に選んでるって意識は無いんですけど。

”生死の調査部”に所属する死神の千葉さんが、1週間前に生死を判定する相手の前に現れて調査をするのですが、調査をしてみると、その相手にはいろいろな謎や事情があります。
調査対象は、老女やら、とある会社のクレーム対応の女性やら、任侠の人やら、様々。
全体は6篇ほどの短編小説で構成されてますが、アガサ・クリスティーばりのミステリーあり、ほろりとさせられる小説ありで、なかなか楽しませてもらえました。

ハードボイルド小説って、今までほとんど読んだことがないんですが、千葉さんのぶっきらぼうな言い回しや、途中にはさまれるかっこいいフレーズ(たとえば、『微妙な嘘は ほとんど誤りに近い』)とかが、全体をハードボイルド小説のようなクールな雰囲気で包みます。
この千葉さん、人の生死にはまったく興味が無く、相手に思い入れることもないという意味では、あくまで冷徹なのですが、随所に出てくる死神ならではの言葉や考えが面白く、これが彼をとっても愛すべきキャラクターにしてるんですよね。
町で出会った少年が、「これをやり遂げなきゃ、死んでも死に切れない」とか言うと、「死神の私からすれば、死んだら死ぬに決まってる」なんてね。
こういうチャーミングな感じを、金城武が演じられるかどうか、少し、興味がありますけど。

個人的には、美容院を営む老女が死神に客引きを依頼する「死神対老女」が一番、おもしろいかなあ、と思いましたが、どれを気に入るかは、読む人によって、様々なんじゃないでしょうか。
とにかく、小説がバラエティーにとんでるので、必ず気に入る話があるんじゃないかと思います。
でも、話ごとに微妙にキャラクターがかぶってるところがあったり、各小説の英語のタイトルの前置詞が全部違ったり(of,and,with,on,vs.)、全体の構成としても、結構、考えられてます。
「あ、この人前の話に出てたかな?」なんて、ちょっとしたところを見つけ出す楽しみもあったりするかも。


「ししゃも」(仙川環、祥伝社) お気に入り度:

おもしろいタイトルと、東京でリストラされたOLが、ふるさとの北海道で町おこし、というストーリーに興味をもって読み始めました。

最初は、リストラOLの奮闘と成長の物語かと思っていたのですが、これって、ミステリーだったんですね。
話は途中で急展開。
町おこしの目玉になっていた「虹色のシシャモ」を開発した研究者が失踪し、その研究者の過去を調べてゆくと、意外な事実がわかってきます。

この作者の人、阪大の医学部の修士課程修了してるんですか、どおりで、実験の記述とか、ちょっと理屈っぽい書き方とかが、わたしと同じ理系のにおいを漂わせていると思いました。
わかるでしょ、私のブログ読んでると・・・。

最後のほうは、怒涛のように話が展開してゆきます。
え?この本これしかページが残ってないのに、ちゃんと終わるんだろうかと心配になるほどです。
もう少し失踪した研究者の暗い過去を丁寧に描いてくれると、話に厚みが増すのではないかと思いますが、ラストの終わり方は、心温まる感じで悪くないです。

地方の再生をモチーフにしたミステリーが現れるなんて、これも時代ですねえ。

設定テーマ

関連テーマ 一覧

月別リンク

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(5件)

内 容 ニックネーム/日時
本読むのは好きなんですが、最近は研究に関する本しか読んでいませんでした。『死神の精度』読んでみたくなったので、さっきネットで注文しちゃいました。
ぷーまん
2008/03/12 02:19
なんだか、自分の書いた感想で、他の人が本を読んだり、映画を観たりするのって、とってもドキドキしますよね。
「気に入ってくれるといいんだけどなあ」なんて思いますけど、こればかりは、その人の好みの問題ですから。
あとで、ぜひ感想を聞かせてください。
kooning
2008/03/12 23:35
『死神の精度』読みました。
楽しくてあっという間に読んでしまいました。“死神の千葉さん”のキャラクターがいいですね。死神らしい言葉や考え方の中にも、どこか人間味があって、何とも言えないいいキャラクターですね。
私は、「恋愛で死神」が一番気に入りました。映画も見てみたいです。
次は、『きいろいゾウ』を読んでみようと思ってます。
ぷーまん
2008/03/16 05:00
私の予想的中。
『ぷーまんさんは「恋愛で死神」を選ぶんじゃないか』と、思ってました。
この本は、どの話を選ぶかで、性格診断とかできそうですね。
愛する人のことを思ってつく嘘は、やっぱり誤りに近いのかな?
ぷーまんさんのブログ読みながら、そんなことを考えてました。
kooning
2008/03/16 23:03
バレバレですね(笑)。
「微妙な嘘は ほとんど誤りに近い」って、いい言葉ですよね。そんな風に考えられたら、もっともっと気持ちが楽になるだろうなって思います。
『きいろいゾウ』、近くの本屋さんにありませんでした・・・田舎なので。またネットで注文します。
ぷーまん
2008/03/17 22:20

コメントする help

ニックネーム
本 文